初太刀までの一連の動作
剣道昇段審査会の審査員先生の講評(寸評)の中に、次の指導内容が多々見受けられます。
・打ち急ぎ
・時間の配分
・攻め合い
・攻めと崩し
・打突の機会づくり
・間合い
・理合い
これらに共通していることは、蹲踞から立ち上がり、初太刀までの攻め合いに関することではないでしょうか?
例えば
早く一本を決めようとして気力が充実しない状態、いわゆる「溜め」を作れないうちに剣先の攻防もなく打ちに出る打ち急ぎをしていること。
相対した際の充実した気勢・気魄が伝わってくる立合いが見受けられない。
蹲踞から立ち上がり、触刃の間から自分の打ち間に入るまでに相手を攻めて「崩す」「引き出す」ような打突の機会をつくり、そこを捉えて技を出さなければなりません。
等々が指摘されています。
そこで、及ばずながら蹲踞から立ち上がり、初太刀までの攻め合いに至るまでの一連の動作をまとめてみます。
一連の動作のまとめ
1.蹲踞から立ち上がった姿勢
2.剣先が接する間合い(触刃の間)まで詰める
・気合いを発する(気攻め)
3・打ち間(1足1刀の間合い)まで詰め寄る
2から3に至るまでの大まかな時間
・六、七段審査の場合なら10秒から15秒
・八段審査なら20秒
この間に戦略を練る
・相手の構え(竹刀)を表から、裏から抑えてみる。
・中心を取ることに拘っているか?
・構えの高さはどうか?
傾 向(タイプ) | 構えの状況 |
仕掛け技を得意とするタイプ | ・中心に拘り(固い)
・やや高めの構え |
応じ技を得意とするタイプ | ・柔軟な構え
・やや低めの構え |
孫氏の兵法
”敵を知り己を知れば百戦危うからず”
という言葉があり、お相手の情勢をしっかり把握して、自分のことも良く知っていれば、幾度戦っても敗れることは無いということなのです。
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