指導内容の検索
過去2年間の剣道昇段審査会の審査員先生の講評(寸評)をご指導の内容を指導項目に分類して掲載しております。
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足さばき、打ち急ぎ、打ち切る、改善策、掛け声、構え、気構え、気剣体の一致、気迫・勢い、基礎練習、時間の配分、姿勢、竹刀、竹刀の持ち方、しなやかさ、主導権、攻め、攻め勝つ、攻め合い、、攻めと崩し、捌き、捨て身、正々堂々、打突、打突の機会づくり、打突の強さ、体勢、打突後の残心、着装、胴打ち、品位、風格、風格と品位、間合、身構え、妙味ある剣風、無駄打ち、理合い、理合、留意点、技の練度、その他 |
# | 指導内容 | 審査日 | 審査場所 |
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事前準備 | 一、事前準備として、規格に合った竹刀か。面紐・小手紐の長さは適正か。剣道着袖・袴の長さが適正で色褪せてないか。面・胴紐が縦結びになってないか。以上のことなどを十分に確認し審査に臨んで下さい。この度も、これらが不備な受審者が散見されました。 | 22.05 | 愛知 |
着装・礼法・構え・打突・風格等 | 二、審査の主な着眼点「着装・礼法・構え・打突・風格等」が受審段位に相当するかです。このことは十分承知と思いますが、分かっている事が体現できているか自分では判断しづらいものです。いま一度、上位の先生に指導願うことが肝要です。 | 22.05 | 愛知 |
無駄打ち | 三、立合いでは、充実した気勢も無く打突の機会でも無いのに、開始早々に打って出る行為が多く見られます。審査という短い時間で、この限られた時間内に一本でも多く有効打突を決めたいと思う「気の焦り」から、無駄打ちが多く理合に欠けている様が見受けられました。焦りは禁物です。技は心(気)によって発動されるものです。 | 22.05 | 愛知 |
技は基本、心は覚悟 | 限られた短時間だからこそ「覚悟」を決め先の気位で、攻めて・崩して・捨てて・打つ、機会を捉えた初太刀を大切にして欲しいものです。昔、「技は基本、心は覚悟」と教わりました。受審者の皆様は既に、自身の修正点や今後の課題に気づいた事と思います。 | 22.05 | 愛知 |
理合、風格・品位 攻める、溜める、打ち切る | 剣道六段からの審査には、①理合、②風格・品位のさらに高度な技術が求められます。「攻めて打つ」の一言でありますが、「攻め」の工夫が大事であります。自分の攻めによって相手がどうなったか、攻めが効いているのかいないのか。これらの判断は「溜め」の部分で調整します。そして「打ち切る」ことが最終の仕上げになります。「攻める」「溜める」「打ち切る」これを正しく行うことが出来れば良い剣道になると思います。 | 22.04 | 京都 |
無駄打ち | 相手の隙も無いのに自分の調子だけで打っている人や無理な打突をしている人、さらには無駄打ち等が多く、理に敵った打突をしていない人などが散見されました。 | 22.04 | 京都 |
捨て身 心気力の一致 | 打突は機に乗じて、捨て身で打ち切る覚悟が必要です。しかしながら、練度が足りず心気力一致の打突が少ないように感じます。「捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の勇気をもつことが大切です。 | 21.11 | 東京・七 |
打突 打ち切る | 予想しての技や決め打ち、溜めのない早打ちが多く、機械的な打突になっています。七段位としての基礎・基本を習得し、有効打突の有無に関わらず、すべて打ち切った打突を期待します。 | 21.11 | 東京・七 |
攻めと崩し | 立ち上がるや否やすぐさま面打ちを繰り返すことが目立ちます。高段位においては、攻防で相手に攻め勝ち、崩し動かし引き出して遣うことにより打突の好機が生まれます。 | 21.11 | 東京・七 |
身構え 気構え | 何よりも肝心なのは、相対した際の充実した気勢・気魄が伝わってくる立合いが大事です。立上りはじめの漲る気が審査終了まで続かない状態では、審査員を引き付けることは出来ません。また、見た目を気にした構えは打突時に崩れます。 | 21.11 | 東京・七 |
着眼点 | 高齢者および女性の技術的力量の評価について、 持ち前の攻め口、機会のとらえ方、また、体さばきやしなやかな身のこなし等を持ち味として評価することをもとに行われた審査結果は、高齢者・女性の合格率が上がり大変良い結果でした、 | 21.11 | 東京・六 |
着眼点 | 高齢者および女性の技術的力量の評価について、 有効打突・勝負の歩合重視のみの評価ではなく「理合」、「風格・品位」について総合的に判断する。 | 21.11 | 東京・六 |
姿勢 着装 | 女性の着装がよく端正さを感じました。後ろ姿がいいといわれるような姿勢、着装に留意し、「事の未だ成らざるときは小心翼々」の如く、細かいことにまで気を配る稽古を継続され、更なるご精進をお祈りいたします。 | 21.11 | 愛知 |
同打ち | 面返し胴で見事に右胴打ちをしているが、その後に相手の垂に貼り付けているシールを竹刀に巻きつけているのが数多くありました。折角の返し胴が台無しになってしまいます。腰を安定させ、背筋や首筋をまっすぐ伸ばして打つように練習されるとよいと思います。 | 21.11 | 愛知 |
竹刀の持ち方 | 左手親指が右に向いている・柄頭を余して(2~3㎝)握っている・右拳が鍔から(3~5㎝)離れて握っている人が目立った。 冴えのある打ちは、正しい竹刀の持ち方から生まれるものであります。 | 21.11 | 愛知 |
審査の着眼点 | 正しい着装と礼法、適正な姿勢、基本に即した打突等である。 | 21.11 | 愛知 |
正々堂々 つば競り合い | つば競り合いから相手だけを引かせる等優位に立とうしている。つば競り合いで技が出ない場合は速やかに、双方が気を合わせて鎬を削るよう分かれるようにし、正々堂々した剣道を心がけていただきたい。 | 21.11 | 愛知 |
打ち急ぎ | 全般的に早く一本を決めようとして気力が充実しない状態、いわゆる「溜め」を作れないうちに剣先の攻防もなく打ちに出る打ち急ぎの場面も多く見られました。 | 21.8 | 新潟 |
妙味ある剣風 | 午後の若干年齢層の高い方では、「体力」は若干衰えつつも「心」と「技」を練り上げ、妙味のある剣風を披露された方も多く見受けられました。 | 21.8 | 新潟 |
理合、品位、風格 | 攻防のバランスを通して「だから打てた」「だから打たれた」など、稽古相手と打突の機会等を確認しながら的確な対話ができることが自分自身の稽古を高めていくことになると思われます。 | 21.8 | 新潟 |
着装 | 七段・六段を受審される方々に今更着装のことでもないと思われるかもしれませんが、意外と気を使わない方がいます。受審に相応しい正しい着装で臨んでいただきたいと思います。技術以前の心構えの問題ですが、第一印象も大切なことだと思います。 | 21.8 | 福岡 |
打突の機会づくり | 蹲踞から立ち上がり、触刃の間から自分の打ち間に入るまでに相手を攻めて「崩す」「引き出す」こと・重要です。打突の機会をつくり、そこを捉えて技を出さなければなりません。 | 21.8 | 福岡 |
気剣体の一致 | 高段者には「強さ」と「冴え」を兼ね備えた気剣体一致の打突が求められます。 | 21.8 | 福岡 |
打ち切る | 普段の稽古時から技の一つ一つを「打ち切る」ことを心掛けましょう。そして「打ち切った技」がたとえ打突部位を外したとしても「姿勢は崩さないぞ!」という気構えで打ち込んでいくことが大切だと思います。 | 21.8 | 福岡 |
基礎練習 | 「打突の冴え」を生み出す「手の内」の鍛錬には「素振り」「切り返し」「打ち込み」といったメニューは欠かせません。日々の稽古に必ず入れて基礎練習を繰り返し行うことをお勧めします。 | 21.8 | 福岡 |
掛け声 | コロナ禍でのマスク着用によって掛け声が小さく、気迫が弱々しく感じたことである。剣道をする上において掛け声を大きく出すことは、気力を充実させ、気迫あふれる攻めから有効打突へつながる。 | 21.5 | 愛知 |
攻め合い 姿勢 | 打とうとする意識が強過ぎて、攻め合いもなく、直ぐに無理な打ちを出し、打突後の体勢が崩れる等、まとまりのないまま終了する受審者が見受けられました。 | 21.4 | 京都 |
理合い | 技を出す過程が理に適っているか、否かが問われます。「攻めて理で打つ」という教えがあります。蹲踞から立ち上がり、「触刃の間」で充実した気勢で先を取り、「交刃の間」(自分の打ち間)に攻め入り、打突の機会をつくることが重要です。攻め勝って、乗って、崩して、迷いのない思い切った技(捨て身の技)を出すことです。 | 21.4 | 京都 |
構え 風格・品位 | 気剣体の一致した「強度」と「冴え」のある打ちが求められます。左足、・左腰、左拳の定まっている構えをつくり、「一拍子」の鋭い打突を心がけてください。構えができると、激しい動きの中でも体幹が安定し、相手の攻めや打突に対しても崩れないし、「風格・品位」が具わってきます。今一度、自分の構えを確認してください。 | 21.4 | 京都 |
しなやかさ | 合格されました女性は、「仕かけ技」ばかりではなく、理に適った「冴え」のある「応じ技」が決まっていました。「しなやかな身のこなし」による見事な立合いが随所に見られ、女性剣道のレベルの高さを感じました。 | 21.4 | 京都 |
主導権 攻め勝つ 無駄打ち | 審査に大事な事は、当然ですが相手よりも優れていることです。 彼我攻防の中で剣先の攻めがきいて、攻め勝って理に適った打ちを出し切ることが出来たのかどうかであり、不用意な打ちは評価されません。攻めがなく打つべき機会でないのに打ちを出している方が見受けられました。それこそ無駄打ちになってしまいます。打ち出した技が審査員の目に留まり審査員の心に響かなければなりません。 | 21.2 | 長野 |
留意点 | 攻め→崩し→打ち(技の冴え)→捨て切る 打つべき機会を逃さずに身を捨てて打ちを出し切っているのだろうか。 隙も無いのに、自分の調子だけで打ちを出していないだろうか。 無駄打ち、無理な打ちのない真に理に適った打ちであるだろうか。 | 21.2 | 長野 |
着装 | 着装に関しては全体的に概ね良好でしたが、各会場においても剣道着の袖がかなり短いものを着用している方が多く散見されました。着装は剣道に臨む心構えを映し出しています。 | 21.2 | 長野 |
竹刀 | 受審者の中には、竹刀の手入れが余り行き届いていなかったり、明らかに先細りの竹刀を使っている方がかなり散見されました。その人の剣道観が審査員には一見して分かります。特に細身の竹刀は、安全性や強度の面からして非常に危険です。竹刀は『刀の観念』と言われています。竹刀に気を配って細心の注意を払うべきと思います。我が身を守り、我が身を助け戦ってくれるものです。入念に手入れをし、審査に臨む姿勢が大事な事ではないかと思います。 | 21.2 | 長野 |
攻め | 剣道は相手を攻め上げ攻め崩して有効打突に繋げるもの、ただ勢いに任せて打突するだけではどうなのか。 | 20.11 | 東京 |
間合 | 自分の打ち間をつかんでいない。攻めとも関連しますが無駄打ちを繰り返す姿が見受けられました。 | 20.11 | 東京 |
気迫・勢い | 姿や形を意識するあまり、相手を打ち破らんとする気迫、勢いが不足気味。 | 20.11 | 東京 |
体勢 | 今の状況下で稽古不足が遠因か、打突する際に体勢が崩れる方が多かった。体軸を崩さず打ち切ることが有効打突の条件でもあります。 | 20.11 | 東京 |
捌き | 仕掛ける時も応じる時も何処へ身を置くのが効果的なのか、身の寄せ方、相手との距離。 | 20.11 | 東京 |
時間の配分 | 短い制限時間内に自分の剣道を披露する。気負わず 力まず 空回りせず | 20.11 | 愛知 |
理合い 風格 | 構え→攻め崩し(攻防)→隙を捉える→打突→残心 この一連の技術構造において①理合、②風格の表現は十分だったかどうか。 | 20.11 | 愛知 |
技の練度 | ○気剣体一致の打突 ○技の錬度と質 七・六段の高段者は特に「手の内の作用、強さと冴え」が求められる。技の切れ味・玄妙な味等の錬度と質が力量を表す。 ○有効打突の要件、要素は適確に表現されたか (例)・構え―左手の納まり、左足踵は適度に上げているか 間合―打ち間を捉えているか 機械―打つべき機会を捉えているか 残心―身構え、気構えは十分か | 20.11 | 愛知 |
風格と品位 | 六段からは、理合と風格・品位が求められます。したがって、身法・刀法・心法が理にかなっていなければなりません。簡単にいうと総てのことが基本(正しさ)に則したものでなければなりません。それが身につけば、自ずと風格・品位が備わってきます。 ・無理のない自然体の構え、 ・気魄の充実、 。剣尖の活きた攻めと崩し、 。打突の好機、 。技の冴え、 。体捌き、 。残心等です。 | 20.10 | 兵庫 |
足さばき | 攻め合い、攻防の段階ですでに運足が乱れ、構え、体制が崩れる方がいます。そしてその体勢のまま技を出すので、十分な打ちができません。 | 20.8 | 福岡 |
打突の強さ | せっかく良い機会に技を出されても、特に小技、すり上げ、返し技が一本になり切れていません。打ちの強さと冴え、手の内の作用について、更なる修錬が必要と感じました。 | 20.8 | 福岡 |
風格 構え 打突後の残心 | 高段者としての風格、立ち居振る舞いを身につけるには、剣道形の稽古を今一度見直して下さい。踏み込み足での技を除き、剣道形の所作、足さばき、腰の備え、打ち切り、残心の身構えなどはそのまま竹刀剣道においても必要とされます。風格の醸成には形稽古に励まれることをお勧めいたします。 | 20.8 | 福岡 |
改善策 | 自分で自分の短所に気が付くことは難しいものです。自分の短所を知るには、今一度上位の先生方に指導を仰ぐ、又は稽古仲間からのアドバイスをもらう事が、最も早い解決策かと思います。受け入れた助言等により、何か気付いたときは、一意専心、反復練習に心がけて下さい。 | 20.8 | 福岡 |
解説!
剣道における戦略
審査会や試合において、早く一本を決めようとして気力が充実しない状態、いわゆる「溜め」を作れないうちに剣先の攻防もなく打ちに出る打ち急ぎをしていることが多々あります。
これらに共通していることは、蹲踞から立ち上がり、初太刀までの攻め合いに関することではないでしょうか?
その具体策について整理しました。
剣道で言う「理合」とは?
理合とは物事の道理、物事を行う順序、手順のことと一般的な意味として解釈されます。
剣道指導要綱では、次の様に説明されています。
”自分と相手との間でとり行われる技や動きが合目的・合理的であり、技術が法則性にかなっていること。”
剣の理法の3つの理合を考えながら、剣道の攻防で合った動きと精神で、剣の理合を意識して行うことが重要と意識しています。
剣の理法を知ることで、無駄のない動き、打突、隙のない動作などを同時に意識することで、理合の剣道へと繋がっていくと日々精進しています。